東京高円寺阿波おどり大会は、まもなく50年を迎えます。
当初「高円寺ばか踊り」として始まった祭りも、徳島県人会で結成された「木場連」への弟子入り、 さらには本場徳島への「阿波踊り留学」、高円寺での独立連の結成と回を重ねるごとに発展してまいりました。
阿波踊りの活動単位は個人ではなく、「連」です。連とは阿波踊りを踊るために形成されるグループのことで、 ここでは一人ひとりの技より、全体として踊りが映えているかどうかが問われます。
各連は礼儀を重んじ、組織的にまとめられて子供も若者もルールを厳しくしつけられます。 そうしたうえで、それぞれの連が一丸となって切磋琢磨しつつ、技量の向上を図っているのです。
今日では東京の夏を代表する風物詩となり、地元はもとより、高円寺から巣立ち、 別の町に住居を構えた人たちが大会に合わせて帰省するほか、関東一円から120万人の観客を集めるまでに発展しました。
孤独といわれている都会での暮らしの中で人との連帯感が求められている証でもあり、 阿波踊りに関わりを持つ者、高円寺に縁ある者にとって、 東京高円寺阿波おどり大会は「人と人」、「人と地域」を結びつける絆であり故郷そのものともなっています。
これまで東京高円寺阿波おどり大会は、地元の商店街を中心に設立された任意団体「東京阿波おどり振興協会」が主催し、 本協会の主導の下、今日の盛況を見るにいたりました。しかしながら商店街を取り巻く環境の変化により、商店街のみでこの事業を支えることが困難になってきました。
高円寺阿波おどりが多くの人々から愛されるようになったこれからも、 徳島の伝統芸能である阿波踊りを継承し、高円寺阿波おどりの歴史を未来につなげるためには、 阿波踊りが高円寺地域に文化としてより深く根ざすとともに、 行政・企業・各種の専門家のみならず、高円寺阿波おどりを愛する人材を広く求め、 「地域」と「連」と「観客」が三位一体となって支えあう特定非営利活動法人へと組織を発展させていかなければなりません。
ここに東京高円寺阿波おどりが100年後、200年後の未来へと続き、 その文化が全世界に広まることを心より願いながら、 高円寺阿波おどりを愛するすべての人々にとってこの大会が心のふるさとであるために、 そして阿波踊りを通じて「人づくり」、「街づくり」に貢献する 「特定非営利活動法人 東京高円寺阿波おどり振興協会」の設立をここに宣言します。
平成16年10月28日
NPO法人 東京高円寺阿波おどり振興協会